移送取扱所の基準
移送取扱所とは、配管やポンプ等によって危険物の移送の取扱いをする施設です。
例えば、パイプラインが該当します。
移送取扱所については、設置や配管の基準がポイントになります。
位置
移送取扱所は、次の場所に設置してはいけないとされています。(規則第28条の3)
- 震災時のための避難空地
- 鉄道及び道路の隧道内
- 高速自動車国道及び自動車専用道路の車道、路肩及び中央帯並びに狭あいな道路
- 河川区域及び水路敷
- 利水上の水源である湖沼、貯水池等
- 急傾斜地崩壊危険区域
- 山崩壊防止区域
- 海岸保全施設及びその敷地
特に出題されやすいのが、②の隧道(すいどう)内、すなわちトンネル内に設置してはいけないという点です。
その他、市街地の道路の路面下に埋設する場合は、深さ1.8m以内にしてはいけない等の規定があります。
構造
- 標識および掲示板を設ける
- 地上に設ける移送取扱所には保有空地を設ける
移送取扱所には、保安距離は必要ありません。
移送取扱所では、配管に関する基準が主です。
構造・強度 |
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伸縮吸収装置 | 有害な伸縮を吸収する措置を講じる |
防食被覆 |
地下又は海底に設置する配管等:
耐久性があり、かつ、電気絶縁抵抗の大きい塗覆装材により外面腐食を防止するための措置を講じる 地上又は海上に設置する配管等:
外面腐食を防止するための塗装を施す |
電気防食 |
地下又は海底に設置する配管等には、電気防食措置を講じる
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漏えい拡散防止 |
市街地並びに河川上、隧道上及び道路上等に配管を設置する場合は、漏えいした危険物の拡散を防止するための措置を講じる
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可燃性蒸気の滞留防止 |
配管を設置するためのトンネルのうち人が立ち入る可能性のあるものには、可燃性の蒸気が滞留しないよう必要な措置を講じる
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設備
避雷設備 | 危険物を移送する配管等の部分を除き、原則設ける |
運転状態の監視装置 | 配管系には、ポンプ及び弁の作動状況等の運転状態を監視する装置を設けるとともに、圧力又は流量の異常な変動等の異常な事態が発生した場合に警報する装置を設ける |
感震装置 強震計 通報設備 |
配管の経路には、次の設備を設けなければならない
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警報設備 | 告示で定めるところにより警報設備を設ける |
特定移送取扱所
以下の条件のいずれかを満たすものを「特定移送取扱所」といいます。
- 配管の延長が15kmを超えるもの
- 配管の延長が7km以上、かつ最大常用圧力が0.95MPa(メガパスカル)以上
特定移送取扱所は大規模な施設なので、保安検査の受験義務が生じるなど、より厳しい規定が定められています。