消防法で定める危険物とは

消防法における「危険物」について学びます。

危険物の定義

消防法第二条第7項に、次のように定義されています。

危険物とは、別表第一の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するものをいう。

消防法|e-Gov法令検索

この条文は穴埋め形式で出題される可能性があるので、丸暗記しておきましょう。

 

これから学ぶ危険物は、「消防法の別表(べっぴょう)第一に記載されている品名で、かつ別表第一に記載されている性質を持つもの」ということになります。

すなわち、品名欄に掲げられていても、性質欄の性状を示さないものは危険物に該当しません。

消防法の別表第一

消防法の別表第一を以下に記載します。

類別 性質 品名
第一類 酸化性固体 一 塩素酸塩類
二 過塩素酸塩類
三 無機過酸化物
四 亜塩素酸塩類
五 臭素酸塩類
六 硝酸塩類
七 よう素酸塩類
八 過マンガン酸塩類
九 重クロム酸塩類
十 その他のもので政令で定めるもの
十一 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
第二類 可燃性固体 一 硫化りん
二 赤りん
三 硫黄
四 鉄粉
五 金属粉
六 マグネシウム
七 その他のもので政令で定めるもの
八 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
九 引火性固体
第三類 自然発火性物質及び禁水性物質 一 カリウム
二 ナトリウム
三 アルキルアルミニウム
四 アルキルリチウム
五 黄りん
六 アルカリ金属及びアルカリ土類金属
七 有機金属化合物
八 金属の水素化物
九 金属のりん化物
十 カルシウム又はアルミニウムの炭化物
十一 その他のもので政令で定めるもの
十二 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
第四類 引火性液体 一 特殊引火物
二 第一石油類
三 アルコール類
四 第二石油類
五 第三石油類
六 第四石油類
七 動植物油類
第五類 自己反応性物質 一 有機過酸化物
二 硝酸エステル類
三 ニトロ化合物
四 ニトロソ化合物
五 アゾ化合物
六 ジアゾ化合物
七 ヒドラジンの誘導体
八 ヒドロキシルアミン
九 ヒドロキシルアミン塩類
十 その他のもので政令で定めるもの
十一 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
第六類 酸化性液体 一 過塩素酸
二 過酸化水素
三 硝酸
四 その他のもので政令で定めるもの
五 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの

 

危険物は第1類から第6類に分類されています。

危険物取扱者試験では、類別と性質の問題は頻出です。セットで覚えましょう。

また、乙種の場合は該当する類の品名を、甲種の場合はすべて覚えなくてはいけません。

数が多くて大変ですが、繰り返し勉強することで慣れていきましょう。

危険物に該当しないもの

危険物 物質の状態

物質には固体・液体・気体の3つの状態があります。

危険物に該当するものはすべて常温(20℃)・1気圧において固体または液体で、気体は含まれません

 

なお、法別表第一の備考に、固体・液体・気体が定義されています。

  • 気体・・・1気圧において、温度20度で気体状であるものをいう
  • 液体・・・1気圧において、温度20度で液状であるもの又は温度20度を超え40度以下の間において液状となるものをいう
  • 固体・・・液体又は気体以外のものをいう

 

例えば、水素やプロパンは常温で気体なので、消防法上の危険物ではありません。

気体については、高圧ガス保安法などによって規制されています。