重クロム酸塩類
重クロム酸塩類とは、重クロム酸(\(\ce{H2Cr2O7}\))の水素原子を金属などの陽イオンで置換した化合物の総称です。
二クロム酸とも呼ばれます。
\(\ce{Cr}\)の酸化数が\(+6\)であり、六価クロムの一種です。毒性があります。
具体的な物質の性質についてみていきましょう。
重クロム酸カリウム \(\ce{K2Cr2O7}\)
酸化剤として用いられます。
性質
- 橙赤色の結晶
- 比重2.7
- 水に溶ける
- エタノールに溶けない
- 500℃で分解し、酸素を放出する
強力な酸化剤で、有毒です。
保管方法
- 加熱・衝撃・摩擦を避ける
- 可燃物や強酸との接触を避ける
- 容器は密栓して保管する
消火方法
注水により冷却消火します。
重クロム酸アンモニウム \(\ce{(NH4)2Cr2O7}\)
試薬や疑似火山噴火試験の実験に用いられることがあります。
性質
- 橙赤色の結晶
- 比重2.2
- 水、アルコールに溶ける
- 約180℃に加熱すると分解する
$$ \ce{(NH4)2Cr2O7 -> Cr2O3 + N2 + 4H2O} $$
強力な酸化剤で、有毒です。
保管方法
- 加熱・衝撃・摩擦を避ける
- 可燃物や強酸との接触を避ける
- 容器は密栓して保管する
消火方法
注水により冷却消火します。
重クロム酸塩類のまとめ
重クロム酸カリウム、重クロム酸アンモニウムとも
- オレンジ色の結晶
- 水に溶ける
という特徴があります。重クロム酸塩類は強力な酸化剤で、有毒である点も覚えておきましょう。