赤リン

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赤リン

赤リンは、リン(\(\ce{P}\))の同素体の一つです。

赤リン

第3類危険物である黄リンと区別して覚えましょう。

 

マッチの原料として用いられるほか、農薬や医薬品の原料としても利用されます。

性質

  • 赤褐色の粉末
  • 無臭
  • 比重2.1~2.3
  • 発火点:260℃、融点:590℃(高圧下)
  • 常圧で約400℃まで加熱すると昇華する
  • 水、アルコール、二硫化炭素に溶けない
  • 燃焼すると十酸化四リン(\(\ce{P4O10}\))を生じる

$$\ce{4P + 5O2 -> P4O10}$$

十酸化四リンは強い脱水作用を有するため有毒です。

 

黄リンを不活性ガス(窒素など)中で約250℃に加熱することで得られます。

赤リン 作り方

純度の低い赤リンには黄リンが含まれていることがあるため、注意が必要です。

 

黄リンと比較して安定しており、自然発火性を持たず毒性もありません。

微粉状のものは粉じん爆発の危険があります。

 

保管方法

  • 容器は密栓して冷暗所に保管する
  • 黄リンや酸化剤との混合を避ける

黄リンとの混合物は自然発火の危険があります。

酸化剤(特に塩素酸塩類など)と混合すると、わずかな衝撃や摩擦で発火します。

 

消火方法

注水により冷却消火します。