臭素酸塩類
臭素酸塩類とは、臭素酸(\(\ce{HBrO3}\))の水素原子を金属などの陽イオンで置換した化合物の総称です。
具体的な物質の性質についてみていきましょう。
臭素酸カリウム \(\ce{KBrO3}\)
パーマ液に用いられます。
パン生地への添加剤としても用いられますが、有毒で発がん性があることから規制が進んでいます。
性質
- 無色の結晶性粉末
- 比重3.3
- 水に溶ける
- アルコールやエーテルには溶けにくい
- 約370℃に加熱すると臭化カリウムと酸素に分解する
$$\ce{2KBrO3 -> 2KBr + 3O2 ^}$$
酸との接触によっても分解して酸素を発生します。
有機物や硫黄などと混合すると、加熱や摩擦によって爆発の危険があります。
保管方法
- 加熱・衝撃・摩擦を避ける
- 可燃物や酸との接触を避ける
消火方法
注水により冷却消火します。
臭素酸ナトリウム \(\ce{NaBrO3}\)
パーマ液や羊毛の柔軟剤に用いられます。
性質
- 無色の結晶
- 比重3.3
- 水に溶ける
- 約380℃に加熱すると分解し、酸素を放出する
有機物や硫黄などと混合すると、加熱や摩擦によって爆発の危険があります。
火災時に刺激性あるいは有毒なヒューム(臭化水素\(\ce{HBr}\)など)を放出します。
保管方法
- 加熱・衝撃・摩擦を避ける
- 可燃物や還元剤との接触を避ける
消火方法
注水により冷却消火します。
「臭素」という文字が入っていますが、いずれも無臭の固体です。