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鉄粉
鉄の塊は不燃物ですが、粉末状になると表面積が増大して燃焼しやすくなります。
ここでは、鉄粉の定義や性状について学びます。
消防法別表第一備考3および規則第一条の三より、鉄粉は次のように定義されています。
鉄粉とは、鉄の粉をいい、目開きが五十三マイクロメートルの網ふるいを通過するものが五十パーセント未満のものを除く。
すなわち、53μmのふるいを50%以上通過する粒度の鉄粉は第二類危険物に該当することになります。
53ミクロンというと、髪の毛1本の太さよりも細かい粉というイメージです。
鉄粉は花火の原料、焼結材料、磁粉などとして利用されます。
性質
- 灰白色の粉末
- 比重7.9
- 融点:1,535℃、沸点:2,750℃
- 一般に強磁性体である
- 燃焼すると酸化鉄になる
$$\ce{2Fe + O2 -> 2FeO}$$
- 酸と反応して水素を発生する
$$例:\ce{Fe + 2HCl -> FeCl2 + H2 ^}$$
- アルカリとは反応しない
油分のしみた切削屑は自然発火することがあります。
水分があると酸化熱が発生し、発熱・発火することがあります。
保管方法
- 湿気を避け、容器に密封して保管する
- 酸や酸化剤との接触を避ける
消火方法
乾燥砂などで窒息消火します。
注水は水蒸気爆発の危険があるため使用できません。