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過塩素酸塩類
過塩素酸塩類とは、過塩素酸(\(\ce{HClO4}\))の水素原子を金属などの陽イオンで置換した化合物の総称です。
塩素酸塩類よりは安定した物質ですが、可燃物との接触や加熱・衝撃などにより爆発する危険性があります。
なお、過塩素酸そのものは第6類危険物です。
具体的な物質の性質についてみていきましょう。
過塩素酸カリウム \(\ce{KClO4}\)
花火の酸化剤として用いられます。
性質
- 無色の結晶
- 比重2.52
- 水に溶けにくい
- アルコールに溶けにくい
- 約400℃に加熱すると分解し、酸素を放出する
可燃物との混合や強酸との接触により爆発の危険がありますが、危険性は塩素酸カリウムよりやや低いです。
保管方法
- 加熱・衝撃・摩擦を避ける
- 可燃物や強酸との接触を避ける
- 容器は密栓し、冷暗所に保管する
消火方法
注水により冷却消火します。
過塩素酸ナトリウム \(\ce{NaClO4}\)
他の過塩素酸塩の原料として用いられます。
性質
- 無色の結晶
- 比重2.03
- 水によく溶ける
- アルコールやアセトンにも溶ける
- 潮解性を有する
- 約200℃に加熱すると分解し、酸素を放出する
潮解したものが乾燥すると爆発の危険があります。
保管方法
- 加熱・衝撃・摩擦を避ける
- 可燃物や強酸との接触を避ける
- 容器は密栓し、冷暗所に保管する
潮解性を有するため、湿気に注意が必要です。
消火方法
注水により冷却消火します。
過塩素酸アンモニウム \(\ce{NH4ClO4}\)
爆薬やロケットエンジンの推進剤の原料として用いられます。
常温では安定ですが、可燃物と混合すると加熱・衝撃などにより爆発します。
性質
- 無色の結晶
- 比重1.95
- 水によく溶ける
- エタノールやアセトンにも溶ける
- 約150℃で分解して酸素を放出、400℃で急激に分解して発火します
$$\ce{2NH4ClO4 -> Cl2 ^ + N2 ^ + 2O2 ^ + 4H2O}$$
上式のように、燃焼に伴って多量のガスを発生するため危険です。
保管方法
- 加熱・衝撃・摩擦を避ける
- 可燃物や強酸との接触を避ける
- 容器は密栓し、冷暗所に保管する
潮解性を有するため湿気に注意します。
爆発性があるため、長期間の保存はできません。
消火方法
注水により冷却消火します。
過塩素酸塩類のまとめ
過塩素酸塩類では、水・アルコールへの溶解と潮解性を覚えましょう。
物質名 | 溶解性 | 潮解性 |
過塩素酸カリウム | 水にもアルコールにも溶けにくい | なし |
過塩素酸ナトリウム | 水にもアルコールにも溶ける | あり |
過塩素酸アンモニウム | 水にもアルコールにも溶ける | なし |