亜塩素酸塩類
亜塩素酸塩類とは、亜塩素酸(\(\ce{HClO2}\))の水素原子を金属などの陽イオンで置換した化合物の総称です。
具体的な物質として亜塩素酸ナトリウムの性質についてみていきましょう。
亜塩素酸ナトリウム \(\ce{NaClO2}\)
漂白剤や酸化剤として用いられます。
特に、アルデヒドを酸化してカルボン酸とする際に使用されます。
性質
- 無色の結晶性粉末
- 比重2.5
- 水に溶けやすい
- 吸湿性がある
- 加熱すると塩素酸ナトリウムと塩化ナトリウムに分解する
約360℃で酸素を放出する
$$\ce{3NaClO2 -> 2NaClO3 + NaCl}$$
- 直射日光や紫外線により分解し、二酸化塩素\(\ce{ClO2}\)を発生する
- 酸と反応して二酸化塩素を発生する
- 多くの金属や皮膚を腐食する
二酸化塩素は毒性及び爆発性をもつため、高濃度になると危険です。
常温でもわずかに分解して二酸化塩素を発生するため、特異な刺激臭を有します。
リン等の可燃物と混合すると、わずかな刺激でも発火や爆発の危険があります。
保管方法
- 加熱・衝撃・摩擦を避ける
- 可燃物や酸との接触を避ける
- 直射日光を避け、換気に注意する
二酸化塩素の発生および滞留を抑制することが重要です。
消火方法
注水により冷却消火します。
強化液や泡消火剤も有効です。