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硫黄
硫黄(\(\ce{S}\))には斜方硫黄、単斜硫黄、ゴム状硫黄などの同素体が存在します。
斜方硫黄(\(\ce{S8}\))、単斜硫黄(\(\ce{S8}\))はともに硫黄原子が8個からなる環状構造を持ちます。
常温では斜方硫黄、96℃以上で単斜硫黄が安定です。
さらに250℃まで加熱すると、数十万個の原子がつながった直鎖状のゴム状硫黄(\(\ce{Sn}\))となります。
黒色火薬(硝酸カリウム、木炭、硫黄の混合物)の原料として用いられるほか、硫酸、ゴム、医薬品、農薬などの製造に広く利用されています。
性質
- 黄色の固体
- 無味無臭
- 比重2.0~2.1
- 融点:115℃、発火点:232℃
- 水に溶けない
- 二硫化炭素に溶ける
- エタノール、ジエチルエーテル、アセトンにはわずかに溶ける
- 青い炎を上げて燃焼し、亜硫酸ガス(\(\ce{SO2}\))を発生
- 電気の不良導体で、摩擦等で静電気を発生しやすい
微粉状のものは粉じん爆発の危険があります。
保管方法
- 容器は密栓して保管する
- 酸化剤との混合を避ける
硫黄は屋外貯蔵所で貯蔵することができます。
塊状の硫黄は麻袋やわら袋などに詰めて貯蔵することができます。
粉状の硫黄は二層以上のクラフト紙や内袋のついた麻袋に詰めて貯蔵することができます。
消火方法
注水により冷却消火します。
硫黄は融点が低いので、燃焼により液状となって流動拡散する危険があります。土砂等を用いて広がらないようにする必要があります。