目次
その他のもので政令で定めるもの
次の9つが政令により定められています。
- 過よう素酸塩類
- 過よう素酸
- クロム、鉛又はよう素の酸化物
- 亜硝酸塩類
- 次亜塩素酸塩類
- 塩素化イソシアヌル酸
- ペルオキソ二硫酸塩類
- ペルオキソほう酸塩類
- 炭酸ナトリウム過酸化水素付加物
特に重要な物質の性質についてみていきましょう。
三酸化クロム \(\ce{CrO3}\)
酸化クロム(Ⅵ)とも。主にクロムメッキとして用いられます。
六価クロムの一種で強い毒性をもち、皮膚に触れると腐食します。
性質
- 暗赤色(暗赤紫色)の針状結晶
- 比重2.7
- 水に溶け、強酸性のクロム酸となる
- エタノール、硫酸、塩酸に溶ける
- 潮解性が強い
- 約250℃に加熱すると分解し、酸素を放出する
$$ \ce{4CrO3 -> 2Cr2O3 + 3O2 ^} $$
ジエチルエーテル、アセトンなどの有機物と接触すると発火の危険があります。
保管方法
- 加熱・衝撃・摩擦を避ける
- 可燃物や有機物との接触を避ける
- 金属製容器を用いる場合、鉛などで内張する
消火方法
注水により冷却消火します。
二酸化鉛 \(\ce{PbO2}\)
鉛蓄電池の正極などに用いられています。
過酸化鉛とも呼ばれますが、過酸化物ではありません。
性質
- 黒褐色の粉末
- 比重9.4
- 水、アルコールには溶けない
- 酸・アルカリに溶ける
- 290℃で分解し、酸素を放出する
$$ \ce{4PbO2 -> 2Pb2O3 + O2 ^} $$
塩酸に溶けると塩素を発生します。
保管方法
- 加熱・直射日光を避ける
- 可燃物との混合を避ける
日光により分解して酸素を放出する危険があります。
消火方法
注水により冷却消火します。
次亜塩素酸カルシウム \(\ce{Ca(ClO)2・3H2O}\)
漂白剤・消毒剤などに用いられます。
性質
- 白色の粉末
- 比重2.35
- 水と反応して塩素を発生する
吸湿性があり、空気中の水分と反応して次亜塩素酸を生じるため塩素臭があります。
塩酸と反応して塩素を発生します。
保管方法
- 加熱・摩擦・衝撃を避ける
- 可燃物との混合を避ける
光や熱により分解が促進されるため注意が必要です。
アンモニアや窒素化合物などと混合すると爆発の危険があります。
消火方法
注水により冷却消火します。