危険物取扱者とは
危険物取扱者とは、危険物取扱者試験に合格し、免状の交付を受けている者のことをいいます。
火災等の危険性を有する物質を安全に扱うためには、法令や危険物の性質、消火方法などの知識が必要です。
これらの知識を有していると認められているのが危険物取扱者です。
危険物取扱者の役割
製造所等において、指定数量以上の危険物を貯蔵または取り扱う場合に、危険物取扱者が必要です。
危険物取扱者以外の者は、甲種または乙種の危険物取扱者の立会いの下でなければ製造所等において危険物を取り扱うことはできません。(法第13条第3項)
危険物取扱者は、次の責務を負っています。
- 危険物の取扱作業に従事するときは、法令で定める貯蔵又は取扱いの技術上の基準を遵守するとともに、当該危険物の保安の確保について細心の注意を払わなければならない
- 危険物の取扱作業の立会をする場合は、取扱作業に従事する者が法令で定める貯蔵又は取扱の技術上の基準を遵守するように監督するとともに、必要に応じてこれらの者に指示を与えなければならない
まとめると、危険物取扱者の役割は次の2つです。
- 危険物を自ら取り扱う
- 危険物取扱者以外の危険物取扱作業に立ち会う
免状の種類
危険物取扱者の免状は、次の3種類に区分されています。
甲種危険物取扱者
甲種では、すべての類の危険物の取扱いと立会いが可能です。
6か月以上の実務経験があれば、危険物保安監督者になることができます。
乙種危険物取扱者
乙種では、指定された類の危険物の取扱いと立会いが可能です。
6か月以上の実務経験があれば、危険物保安監督者になることができます。ただし、所有する類の危険物の保安監督に限られます。
取り扱うことのできる危険物は以下の通りです。
- 乙種第1類:酸化性固体
- 乙種第2類:可燃性固体
- 乙種第3類:自然発火性物質及び禁水性物質
- 乙種第4類:引火性液体
- 乙種第5類:自己反応性物質
- 乙種第6類:酸化性液体
丙種危険物取扱者
丙種では、第4類のうち指定された危険物のみの取扱いが可能です。
無資格者の作業に立ち会うことはできません。
また、危険物保安監督者になることもできません。
丙種危険物取扱者が取り扱うことのできる危険物は以下の通りです。
- ガソリン
- 灯油
- 軽油
- 重油
- 潤滑油
- 引火点130℃以上の第3石油類
- 第4石油類
- 動植物油類
以上をまとめると、下表のようになります。
区分 | 取り扱える危険物 | 取扱作業の立会い | 危険物保安監督者 |
甲種 | すべての危険物 | すべての危険物 | 6か月以上の実務経験 |
乙種 | 取得した類の危険物 | 取得した類の危険物 | 6か月以上の実務経験 |
丙種 | 第4類のうち指定された危険物 | 不可 | 選任不可 |