製造所の基準

ここから、危険物施設の基準についてみていきます。

まずは製造所です。他の設備と共通する内容も多いので、丁寧に確認します。

製造所の基準

構造

  • 保安距離および保有空地を設ける
  • 製造所である旨を表示した標識、防火に必要な事項を掲示した掲示板を設ける

建物の造りは以下を満たす必要があります。

地階 設けることができない
(引火性の蒸気が滞留するのを防ぐ)
屋根 金属板などの軽量な不燃材料でふく
(爆風が上に抜けるようにする)
壁・柱・床
はり・階段
  • 不燃材料でつくる
  • 延焼のおそれのある外壁は、出入口以外の開口部のない耐火構造とする
窓・出入口
  • ガラスを用いる場合は網入りガラスとする
  • 防火設備を設ける
  • 延焼のおそれのある外壁に設ける出入口は、自動閉鎖式の特定防火設備を設ける
液状の危険物を取り扱う場合:

  • 危険物が浸透しない構造とする
  • 傾斜をつけ、漏れた危険物を貯留する設備(ためます等)を設ける

不燃材料と耐火構造には、次のような違いがあります。(建築基準法)

不燃材料

コンクリート、れんが、鉄鋼、アルミニウム、ガラス、モルタルなど不燃性を有する材料

耐火構造

鉄筋コンクリート造、れんが造など耐火性能を有する構造

 

壁や柱などを耐火構造とした建物は、ある程度の火災にあっても基本構造が形を保つことができます。

一方、不燃材料では必ずしも形を保つことはできず、倒壊のおそれがあります。

 

設備

避雷設備 指定数量10以上の施設には設ける
電気設備 可燃性蒸気が滞留するおそれのある場所では防爆構造とする
採光・照明・換気 危険物の取扱いに必要な設備を設ける
蒸気排出 可燃性の蒸気や微粉が滞留するおそれがある場合、屋外の高所に排出する設備を設ける
測定装置等 必要に応じ、温度測定装置や圧力計および安全装置などを設ける
静電気除去 静電気の発生するおそれのある設備には、接地など、静電気除去装置を設ける

 

配管

材質
  • 十分な強度を有するもの
  • 取り扱う危険物により容易に劣化するおそれのないもの
  • 配管に係る最大常用圧力の1.5倍以上の圧力で水圧試験を行ったときに漏えい等の異常がないこと
腐食防止 配管の外面の腐食を防止する措置を講ずること

  • 地上に設置する場合、地盤面に接しないようにする
  • 地下に設置する場合、電気腐食のおそれのある場所では、塗覆装及びコーティングにより電気防食を行う
設置 地上に設置する場合

  • 地震、風圧、地盤沈下、温度変化による伸縮等に対し、安全な構造の支持物で支持する

地下に設置する場合

  • 配管の接合部分からの危険物の漏れを点検できるようにする
  • 地盤面にかかる重量が配管にかからないよう保護する

配管の出題ポイントは、以下の2点です。

  1. 最大常用圧力の1.5倍の圧力の水圧試験に耐えられる
  2. 地盤面にかかる重量が配管にかからないようにする

よくある誤った選択肢として、「地下埋設配管の上部を車両が通らないようにする」というものがあります。

配管に重量がかからなければよいので、上部を通行禁止にする必要はありません。

 

また、腐食の防止については物理化学の分野で出題されます。