複数性状物品について
消防法では、危険物をその性状に基づいて第1類から第6類に分類しています。
それでは、複数の性状(例えば引火性液体かつ自己反応性物質)を有する物品は、どのように分類するのでしょうか。
このような危険物を、複数性状物品と呼びます。
危険物取扱者試験での出題例は少ないですが、簡単なルールなので覚えておきましょう。
法別表第一の備考21に、次のように述べられています。
この表の性質欄に掲げる性状の二以上を有する物品の属する品名は、総務省令で定める。
総務省令、すなわち「危険物の規制に関する規則」です。
規則第一条の四
規則には以下のように述べられています。
(複数性状物品の属する品名)法別表第一備考第二十一号の規定により、同表の性質欄に掲げる性状の二以上を有する物品(以下この条において「複数性状物品」という。)の属する品名は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に掲げる品名とする。
一 複数性状物品が酸化性固体の性状及び可燃性固体の性状を有する場合 法別表第一第二類の項第八号に掲げる品名
二 複数性状物品が酸化性固体の性状及び自己反応性物質の性状を有する場合 法別表第一第五類の項第十一号に掲げる品名
三 複数性状物品が可燃性固体の性状並びに自然発火性物質及び禁水性物質の性状を有する場合 法別表第一第三類の項第十二号に掲げる品名
四 複数性状物品が自然発火性物質及び禁水性物質の性状並びに引火性液体の性状を有する場合 法別表第一第三類の項第十二号に掲げる品名
五 複数性状物品が引火性液体の性状及び自己反応性物質の性状を有する場合 法別表第一第五類の項第十一号に掲げる品名
条文ままだと読みにくいので、整理すると以下の内容になります。
- 第1類&第2類なら、第2類
- 第1類&第5類なら、第5類
- 第2類&第3類なら、第3類
- 第3類&第4類なら、第3類
- 第4類&第5類なら、第5類
丸暗記より、次のルールで覚えた方が簡単です。
複数性状物品は、数字が大きい方の類とする。ただし、第3類は第4類よりも優先される。
すなわち、複数性状を有するもので第4類になるものはありません。