屋外タンク貯蔵所の基準

屋外タンク貯蔵所の基準

屋外に設置したタンクで危険物を貯蔵・取扱う施設のうち、地下タンク・簡易タンク・移動タンク以外のものをいいます。

貯蔵または取り扱う危険物の最大数量が1,000kL以上のものを「特定屋外貯蔵タンク」、500~1,000kLのものを「準特定屋外貯蔵タンク」といいます。

構造

  • 保安距離および保有空地を設ける
  • 引火点を有する液体危険物を貯蔵または取り扱う場合、敷地内距離を設ける
  • 標識および掲示板を設ける

保安距離、保有空地、敷地内距離はいずれもタンク側板から測ります。

屋外タンク貯蔵所における主な技術上の基準は以下の通りです。

屋外貯蔵タンク
  • 厚さ3.2mm以上の鋼板でつくる
  • 外面に錆どめの塗装をする
  • タンク内圧が異常に上昇したとき、ガスを上部に放出できる構造とする

屋内タンク貯蔵所とは異なり、容量の制限はありません。

設備

避雷設備 指定数量10以上の施設に設ける
タンク
  • 液体の危険物タンクには、危険物の量を自動的に表示する装置を設ける
  • 圧力タンクには安全装置を設ける
  • 圧力タンク以外のタンクには通気管を設ける
通気管 先端は水平より下に45度以上曲げ、雨水の侵入を防ぐ

防油堤

屋外タンク貯蔵所の特徴的な設備として、防油堤があります。

特に最大容量について正しく理解しておきましょう。

 

液体危険物(二硫化炭素を除く)の屋外貯蔵タンクの周囲には、危険物が漏れた場合に流出を防止するための防油堤を設けなくてはなりません。

※二硫化炭素のタンクは、0.2m以上の鉄筋コンクリートの水槽に入れて水没させます。これは、二硫化炭素の水より重く、水に溶けない性質を利用しています。

容量 タンク容量の110%以上

同じ防油堤内に2基以上のタンクがある場合は、容量が最大のタンクの110%以上

構造 鉄筋コンクリートや盛土などで造り、危険物が流出しない構造
高さ 0.5m以上とする
出入口 高さ1m以上の防油堤には、おおむね30mごとに堤内に出入りするための階段を設けるか、土砂などを盛り立てる
排水 堤内に溜まった水を排水するために

  • 水抜口を設ける
  • 水抜口を開閉する弁を設ける(通常は閉鎖し、水を抜くときだけ開く)

例えば、容量1,000kLのタンクと容量500kLのタンクが同一の防油堤内にあるとき、必要な防油堤の容量は1,000×1.1=1,100kLとなります。

タンク容量の合計の110%ではないことに注意が必要です。

敷地内距離

引火点を有する液体の危険物を貯蔵または取り扱う屋外タンク貯蔵所においては、敷地の境界線から屋外貯蔵タンクの側板までの間に距離を置かなくてはいけません。

これを敷地内距離と言います。

敷地内距離