予防規程

製造所等の火災予防のために、自主的な保安基準として「予防規程」を定めます。

予防規程

政令で定める製造所等の所有者等は、予防規程を定めなくてはいけません。(法第14条の2)

予防規程の作成は所有者等の義務です。危険物保安監督者などの業務ではありません。

市町村長等の認可・変更命令

予防規程を作成したとき、または変更するときは、市町村長等の認可が必要です。

市町村長等は、火災の予防のため必要があるときは、予防規程の変更を命ずることができます。

予防規程の認可を受けずに危険物を貯蔵または取り扱った場合、6月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。

予防規程の対象となる人

予防規程を守らなくてはいけないのは、製造所等の所有者等および従業員です。

 

予防規程を定める必要がある製造所等

必ず定める

ただし、自家用の屋内給油取扱所は対象外です。

条件により定める

この5つの製造所等は、保安距離を置く必要がある施設と同じですね。

定めなくてよい

また、以下の製造所等には予防規程の作成義務がありません。

  • 鉱山保安法の規定による保安規程を定めている製造所等
  • 火薬類取締法の規定による危害予防規程を定めている製造所等

 

予防規定に定める事項

予防規程に定めなければならい事項は、規則第60条の2に規定されています。

  • 危険物の保安に関する業務を管理する者の職務および組織に関すること
  • 危険物保安監督者が、旅行、疾病その他の事故によってその職務を行うことができない場合にその職務を代行する者に関すること
  • 化学消防自動車の設置その他自衛の消防組織に関すること
  • 危険物の保安に係る作業に従事する者に対する保安教育に関すること
  • 危険物の保安のための巡視、点検および検査に関すること
  • 危険物施設の運転または操作に関すること
  • 危険物の取扱い作業の基準に関すること
  • 補修等の方法に関すること
  • 災害その他の非常の場合に取るべき措置に関すること
  • 地震が発生した場合および地震に伴う津波が発生し、または発生するおそれがある場合における施設及び設備に対する点検、応急措置等に関すること
  • 危険物の保安に関する記録に関すること
  • 製造所等の位置、構造および設備を明示した書類および図面の整備に関すること

 

予防規程に定める内容が問われることもあるので、ざっと目を通しておきましょう。

保安に関する基準や教育、災害時の対応方法、それに必要な書類、記録と、いずれも火災の予防に必要な事項です。

自衛消防組織

大量の第4類危険物を取り扱う事業所では、火災の危険も大きくなります。

火災の予防、火災発生時の対応などのため、自衛消防組織を置くことが義務付けられています。(法第14条の4)

 

自衛消防組織を置く必要があるのは、第4類危険物を取り扱う以下の製造所等です。

これは、危険物保安統括管理者を選任する条件と同じです。

 

自衛消防組織の編成については、政令第38条の2に規定されています。

最大数量 人員 化学消防車
指定数量の12万倍未満 5人 1台
指定数量の12万倍以上24万倍未満 10人 2台
指定数量の24万倍以上48万倍未満 15人 3台
指定数量の48万倍以上 20人 4台

試験でここまで問われることはないので、参考まで。